2008-10-12

終わりは始まり

"An End is A Beginning" By Tomoko Yoneda
私の昔からそして初めてのアート好き友達と、
お互いの好きなイラストレーターの個展をはしごしようとしてギャラリーを訪れたら、
二つとも休館だった、、、、
っていうありえない休日だったので、
近場の原美術館に行ってみた。
(長い)

それにしてもありえない、、、
最初行った方はギャラリーに行きつくまでに散々迷って、
着いたらお休みでした。。。
そこで「まさかっ」って思って調べたら
もう一個の方もお休みでした。。。
どっちか調べろよって話です。
ほんと普段人任せなんだなということを痛感。
そんな昭和生まれです。

「どっか行きたいとこないのかっ思い出せ!」ってことで、
偶然持ってたTABマップの中から
原美術館!ってぴぴぴーんと二人とも思ったので、
ワープ!!

7月から品川駅~原美術館を結ぶ無料バスができたらしく、
魔法のごとくぴったり来たので乗っちゃった。
らくらく。
でもブルンバッ!っていうネーミングはどうなんだ、品川区。
じゃなかった目黒区。
(目黒区なのに品川駅ってどういう意図でそうなったの?)

久々に訪れた原美術館だけど、
やっぱーーーーり好きだ!!
美術館の建築で言うならナンバーワーン!!ベストベスト。
白い昔の豪邸はきらきらしたタイルに囲まれていて、
女の子なら夢見てしまう、
でも病院みたいな要素もある甘くないデザインです。

さて、本題に入るまでに遠回りしてしまった。

米田知子さんという方は全く知らなくて、
原美術館バリューだけで行ってみたんだけど、
最高によかった。
最近写真のよさが分かるようになった来た気がする。

米田さんのテーマは、
「時間」と「記憶」らしくて、
そのとおり、写真と題名の間を結ぶその「場所」の歴史を反芻すると
2度美味しい作品たちだった。

ここで2度美味しいというのは、
写真を素直に見るだけでも美しいし、
題名の意図する歴史的な意味を考えると、
脳の違うルートを辿って、
先ほどの感覚と一緒になり、
また違った印象が体に「じんわり・ぎゅー・ぐぐぐ」って
押し込められる気がするという感じです。

もう一つ彼女の作品を形容してもいいでしょうか。
彼女の写真群を見ていて
「View」という単語を余すところなく表現している気がした。

本人が時間と歴史って言ってんのにわざわざ余計なこと言うようだけど。

Viewというのは、
景色、という意味もあるし、観点という意味もあって、
…。
真面目にviewを調べてみた。

【view】(exceed英和辞書より)
見ること; 視力; 視界; 見えるもの, 眺め, 光景; 風景画[写真]; 概要; 観察, 調査; 見方; 考察; 考え, 意見 ((on)); 印象; 意図, 目的; 見込, 期待

「見ること」~「見えるもの」は、物理的現象。
米田さんの見るという動作、オーディエンスの見るという動作。
「眺め」~「風景」は、
まさに米田さんの被写体そのもの。広角のショット。
ここまでは普通の写真でもあり得るけど、
「概要」~「見方」あたりからは、
米田さんのためにあるような意味です。

彼女の作品はどんなかと言うと、
WWⅡ中のゾルゲなどのスパイが密談をした場所に行って
その景色を写したり、
上の写真はなんということなしに、見ていたけど、
溥儀やトルストイなど、歴史的人物本人の円眼鏡から見た風景を撮ったり、
ベイルートのスナイパーの視点から撮った写真だったりするのです。

つまり、
そのタイトルを見ても、
歴史的事実が分からないと、
2度美味しいの2度の部分が分からなくて
ちょっと悲しくなってしまう。
そんな作品たちです。

だから、
Viewの最後の方の意味である、
「考察」~「意見」というのは、
歴史的事実を踏まえて、
また私達がその歴史を振り返り、考え、消化し、
また自分の意見として肥やされるということを非常に強く感じるのです。

そして最後になりましたが、
「印象」~「期待」といった意味には、
そんな歴史を経た風景やその瞬間の景色にPositiveな未来があるように
という意図があるのではないでしょうか。

総じてみると、
彼女自身はタイトルでしか
彼女のアイデンティティを示していないにも関わらず、
彼女自身の「View」を大変強く感じた。

歴史シリーズ以外もたくさん展示されていて、
それはそれで色鮮やかでパワーにあふれる作品。

シリーズによって全く違った撮り方で、
本当に多彩(多才)な方だなぁと思った。

原美術館はなかなか行こうと思わないと行けないので、
今回のハプニングがあってよかった。
運命だ!

ぜひ見に行って。
なんならカフェでごはんをお召し上がりになって。
ここも本当におススメです。
それかちっちゃな屋上からお庭を
ぼーっと見てるだけでも価値があるぜ。

追記…原美術館にいた双子の幼児(ハーフ)が最高にかわいかった。
なんだろ。とろけてしまうよ。
それにしてもレビューが長いよ。


★★★★★
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米田知子展-終わりは始まり
2008 年9 月12 日(金)-11 月30 日(日)
11:00- 17:00(水曜日は20:00まで開館/入館は閉館時刻の30分前まで)
入館料: 一般1,000 円、大高生700 円、小中生500 円/原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20 名以上の団体は1 人100 円引

原美術館
東京都品川区北品川4-7-25
JR「品川駅」高輪口より徒歩15分/タクシー5分/都営バス「反96」系統「御殿山」停留所下車、徒歩3分


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1 件のコメント:

  1. 色々修正したいと思っても
    なぜか修正できない。。。

    どう考えてもGoogle Mapを入れた生と死か思えないお

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